自分で作って運営していたサイトを「Site Off(サイトオフ)」というサービスを通じて1つ売却しました。
この記事では、サイト売却の体験談と、売却にあたっての注意点を書きたいと思います。
売ったサイトについて
売ったのは、私のメインサイト「家庭学習レシピ」やその関連サイトのことではなく、まったく関連づけずに別にやっていた、ジャンルも別のサイトです。
記事もデザインも外注はせず、いつものように自分一人で作り、運営していたものです。
少し収益も発生していましたが、時間がなくて更新できなくなり、放置状態になっていました。
これを売ろうとして、以前あるサイトM&Aマッチングサービスに、自分で値段をつけて登録したこともあったんです。まあ売れなかったんですけどね。
このまま持っていても、更新もできないし、放置していたら情報としての価値は下がっていく一方。やっぱり売りたいと考えました。
サイトM&Aマッチングサービス以外の選択肢
サイトM&Aマッチングサービスのサイトには、売却希望のサイトやブログのリストがあります。
購入したい人は、そのリストを見て、興味を持ったサイトやブログの詳細をサービスの運営会社を通じて問い合わせ、取引へと進みます。
売却希望者の立場からすると、買いたい人が自分のサイトに目をつけてくれるのを待つだけになります。
今回はそういったM&Aではなく、サイト買い取り会社自体が買ってくれるというサービスがあったので、問い合わせをしてみました。
「Site Off」という、始まったばかりのサービスです。
査定を依頼してみた
査定依頼のフォームから、売りたいサイトのPV数、売上などを書いて送信すると、その日のうちに返事がきました。
希望売却価格の約半額という査定でした。
サイトの所有者であることを確認してもらうための指定された手続をし、アクセス解析の画面のスクショなど、PV数を確認できるようなものを送るよう指示が来ました。統計データを表示したスクリーンショットを送りました。
値段を交渉してみる
もう少し値段を上げてもらいたいという希望を書き、のびしろがあることをアピールしました。
- どんなキーワードで検索順位何位にいるか
- 過去の売り上げについてアピールできること
- クローズドASPとの契約があればその内容
- ASPから特単をもらっていればその内容
- どのような内容で、どれぐらいの頻度で更新しているか
- 広げていけるジャンル
このようなことがあれば、アピールしてみるのも良いと思います。
更新頻度について補足ですが、「毎日更新してます!」というアピールは逆効果ですのでしない方がいいです。
買い手は、サイトを購入後、どれぐらいの頻度で更新する必要があるのか、つまり記事を外注するのにどれぐらい経費がかかるかを見積りたいわけです。
少ない更新頻度で収益が上がっているサイトの方がおいしいのです。
逆に「ほとんど更新してないけど収益あがってます」という場合は、アピールしてもいいと思います。
気を付けた方がいいこと
実は、本当に大丈夫かなという気がしていました。
今は、いろんな詐欺などもありますからね。アクセスがあり、収益が発生しているサイトは財産ですが、それをだまし取るような詐欺がないとも限りません。
- 売却をやけに急がせる
- あまり説明がない
- 取りあえずサーバーやWordPressのパスワードを教えるよう要求される
- よくわからない理由でお金を先に払わないといけない
こういう不審な点がある場合は、やめておきましょう。
できるだけ有名で取引実績の多いところや、取引をした人の経験談を聞けるところをあたった方がいいと思います。
私の経験からは、「Site Off」はちゃんと買い取りしてくれるサービスでした、ということはいえます。
サイトM&Aマッチングサービスとの違い
今回私が利用した「SITE OFF」というサービスの特徴やメリットについて書いてみます。
サイトの売却は、M&Aを仲介(マッチング)するサービスを利用して行われることが多いと思います。その場合、M&Aマッチングサイトで、限られた情報しか表示されない売却希望サイトのリストの中から、自分のサイトに興味を持ってもらえなくては何も始まりません。たまたま購入希望者の目に止まるかどうかという、運の要素も大きいです。
購入希望者が「このサイトについて詳しく知りたい」と思って問い合わせをしてくださって、それで初めて交渉が始まります。
買い手とすぐに交渉に入れる
それとは違って「SITE OFF」の場合は、運営会社=買い手です。買い手自身に査定を依頼するということです。
いつ反応があるかわからない状態で、買いたい人に見つけてもらうのをただじっと待つ、という手順がすっぽり省略できます。ここが最大のメリットです。
もちろん、売却希望サイトが「SITE OFF」の買い取りの方針に合わない場合は、断られたり、安く査定されたりするということではありますが、少なくとも、必ず反応があります。
読み終えた本を、自分で値段をつけてオークションに出すのと、ブックオフにもっていくのとの違いという感じでしょうか。
いくらなら売れるのかが確実にわかる
M&Aマッチングサービスでは、売れなかった場合「この値段では売れない」ということしかわかりません。
売りに出す側としては、「いくらだったら売れるのか?」を知りたいですよね。
「SITE OFF」ではこの値段なら買います、という金額を提示してもらえます。
これも大きなメリットです。
査定申し込み後の流れ
- 査定の申し込みをする
- メールで担当者から連絡がくる。概算の査定額を教えてもらえる
- サイトの所有者であることを確認するため、メールの指示に従って作業を行う。(指定された内容の文章をサイトに内にアップロードする等)
- その他指示に従って必要な情報を提示する。収益やPVを証明するようなスクショを送ることを求められる場合もあるらしい。
- 売却金額についてメールで交渉を行う。
- 売却金額決定。
- 正式に契約書を取り交わす場合は、契約書の作成、契約をする(メールのやり取りで簡易に取引を進める場合はすぐに次の手順へ)
- サイトとデータベースのファイルを送信する(またはサーバーのIDとPWを教えると先方が作業してくれる)
- ファイルとデータベースの内容確認後、半金の支払い(希望した場合)
- ドメインの譲渡、移管(サイト移転の完了)
- 残りの代金の支払い
早ければ、査定の依頼から1か月後くらいには、すべてのやり取りが完了して売却代金が振り込まれます。
サイトが売れた
2か月間M&Aマッチングサイトに置いても売れなかった私のサイトが、値段はその時よりだいぶ安くしたということもありますが、売れました。サイト売却の代金は、私の口座に無事に振り込まれました。
いつどんな風に代金を支払ってもらえるの?
サイト売却の代金は、自分が指定した金融機関の口座に振り込まれます。
サイト移転が完了したという報告が来て、チェック後に支払いとのことでした。翌営業日には代金が振り込まれて、メールでの連絡も来ました。
サイト移転後に一括、または希望すれば、移転作業の途中で半金を払ってもらうなどの対応をしてもらえる場合もあるようです。
例えばサイトのファイルを移動する時点で半分、ドメインを移転した時点で残りの半分を支払ってもらうなどの方法です。サイト売却が初めてで心配な方は、そのようにすると少し安心できると思います。
売買契約や移転の手順に詳しくなくても大丈夫
M&Aマッチングサイトの中には、マッチングだけさせて後は当事者同士で契約してくださいというところもあります。自分で間違いなく移転して、契約書も作って…となると大変ですが、今回頼んだところは、その点もラクでした。
一度査定の依頼をすれば、あとはメールでの指示通りに進めるだけ。売却初心者にはありがたかったです。
質問をすると、しっかりと、感じよく答えてもらえました。やけに愛想がよすぎたり慇懃すぎるのも怪しいと思いますが、そんなこともなかったです。
少しでも不審な点があったらやり取りを中断しようと思っていたのですが、大丈夫でしたね。
査定依頼すると売るようしつこく勧められる?
これも最初は心配な点でした。
「Site Off」は、査定依頼したからといって売るよう強く勧めてくるようなことは全くなく、「ご検討ください」というあっさりした感じでした。
査定金額をみてから、やっぱり売るのをやめたいと思ったら、やめることもできます。
サイト売却した感想
一言でいうと、思ったより簡単で、不安なく取引ができました。
担当者の方とのやりとりはスムーズで、返事も早く、理由もわからないまま待たされるということが一度もありませんでした。
一時期がんばって記事を書いていたあのサイトが、もう自分のものではないというのは不思議な気もします。持っていても、もう更新をする時間はなく、放置すればしだいにアクセスは減り、忘れられていくだけなので、値段がつくうちに売れたのはよかったです。
売れた先で更新してもらって、私が書いた過去記事もずっと読まれ続けるかもしれないとしたら、その方がいいのかもしれません。
ちなみにいくらで売れたかというと
(後でこの部分削除するかもしれませんが)17万円で売れました。
運営期間2年、月間1万PVぐらいの、特化型のサイトです。ジャンルは秘密ですが、メインでやってるサイト群とはまったく別のジャンルです。
70記事ぐらい入れていました。今回売れた代金のほかに今までの収益も累計20万円ほどあったことを思うと、かけた時間と手間の分は、収入として返ってきたんじゃないかと思います。
サイト売却益には税金がかかる
サイトを売却して得た収益は、所得税の課税対象金額にプラスされます。
他の所得、かかる経費、受けられる控除によって、税金が具体的にいくらかかるかは違います。
給料、事業収益すべてに当てはまることですが、仕事をして得るお金をまるまる使えるわけではないということは、知っておきたいです。
興味のあることでサイトを作る
私は今自分が興味を持っていることをテーマにブログやサイトをいくつも作ってきました。
思ってもみなかったキーワードでアクセスが爆発するときもありますし、狙いに狙った記事やテーマが空回りすることもしょっちゅうです。計算通りにはいきません。ただ、本当に書きたいことを熱く自分の言葉で書いていれば、たいてい伸びるということは実感しています。自己アピールが苦手なので、時間がかかりますが。
情熱をもって書けることを書きまくって、結果を見る。
そして、いけると思えば続けますし、方向転換をしたり、しばらく休んだり、やめてしまったりすることもあります。
サイト売却という選択肢
サイトをたくさん作ってしまって、手がまわらなくなったら、記事を外注して更新を続けるのも一つの手です。その他に、サイトを売るという選択肢もあると、今回知りました。
外注は経費がかかりますが、売却は逆に手元にキャッシュが入ってきます。
スタッフを増やせば、その分管理が大変になります。あまり手を広げずにやりたい場合は、サイト売却という選択肢もうまく使い分けて、サイト運営をしていくといいんじゃないかと思いました。
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